龍口法難会
こんにちは
昨日は第748回、龍口法難会の日でした。当山に於いても夜7時30分より法要を執り行いました。夜ということもあってか、参拝者は少なかったですが、法難の時刻近くにやらせていただいております。
では、この龍口法難とは何なのかを簡単にお話ししたいと思います。
日蓮聖人は、当時の幕府執権北条氏へ国家安寧の秘策を提出しました。「立正安国論」です。しかしこのことが政治への中傷ととらえられ、日蓮聖人は佐渡への流罪となりました。流刑地へ向かう事になった日蓮聖人は、はだか馬に乗せられ、途中鶴ヶ岡八幡宮にさしかかったとき大きな声で「八幡大菩薩はまことの神か!」と、法華経の行者を守ることを果たすよう叱りつけました。
源氏の氏神である八幡大菩薩を叱りつけたのですから、引き連れる役人はびっくりして、あわてて馬を引き立てました。そしてなぜか流刑の中継地ではなく、江ノ島片瀬 龍の口(たつのくち)刑場へと引かれていったのです。そこは斬首の刑場です。役人達は斬首の準備を着々と進めています。
知らせを聞いた大信者の四条金吾(しじょうきんご)という武士は、日蓮聖人と一緒に死ぬ覚悟で駆けつけ、腹へ刀を据えました。いよいよ首を斬ろうと役人が刀をかまえたとたん、奇瑞が起こります。描写は様々ですが江ノ島の方角から不思議な光の玉が日蓮聖人めがけて飛んで来るではありませんか。役人は驚いて逃げ去り、辺りも騒然となり処刑どころではありません。
この奇跡により日蓮聖人は斬首を免れ、佐渡へ流刑となりました。
幕府より赦され佐渡より再びお戻りになった日蓮聖人は八幡宮に於いて、八幡大菩薩へ叱責したことを平にお詫びをしたとのことです。
このような自分のみならず、法華経の行者の辛苦を正にご体験されその後の法華経布教についての大きな大系を作る機会でもあったこの龍口法難を聖日として法要を営むのが龍口法難会であります。
因みに「日蓮の首斬れません」という早馬が鎌倉に向かい、事前に役人の独断での処刑を止めるため鎌倉からは「日蓮の首斬るな」との連絡が小さな川で行き合う事があり、その川は「行合川」(ゆきあいがわ)と呼ばれています。
また来年も行います。御参拝お待ちしております。